あらチャン! 53 写真展「至近距離の宇宙」

良い仕事をするには良いインプットも大事ですね。
先日社員揃って東京都写真美術館へ行ってきました。


至近距離の宇宙
日本の新進作家 vol.16
2019.11.30(土)- 2020.1.26(日)

将来性のある作家を発掘、支援する場として2002年より開催されている「日本の新進作家」。16回目となる今回はSpiral Paperの撮影でお世話になった井上佐由紀さんの作品も展示されているということで、みんなで鑑賞に出掛けました。

世界中のあらゆる風景がインターネット上に溢れている現代、実はごく身近にこそ、誰もみていないものがあるとはいえないだろうか?
はるか遠い世界に行くのではなく、身の回りに意識を向けて制作をする6名の作家の作品を通して、ささやかな気づきの楽しさを知る。
というのが今回のテーマ「至近距離の宇宙」です。
6者6様、バラエティに富んでとても楽しめました。

井上さんは、ライフワークとして続けている生まれたばかりの新生児の瞳を撮影するシリーズ<私は初めてみた光を覚えていない>からの出展です。
まだ像を結ばない瞳の美しさに、大きな自然の力への畏れを感じるんだそう。

(画像は展覧会HPより)

「写真」と訳を付けると限定的な意味に感じられるけれど、Photographの本来的な語源は「光(photo)を描く(graph)」である、という相川勝さんの作品解説文が個人的にとても印象に残っています。

そう考えると、今回の6作家はコンセプトも手法も全然異なっているけど、中にはカメラを使っていない作品もあるけど、でも全てがPhotograph。生まれたばかりの赤ちゃんが生きるために焦点を必死に合わせようとする、その行為もまたPhotographと言えるのかも。

会のコンセプトにもあったように、いまは作品も画像データとして手軽に見れてしまうけど(それはそれで役割があると思います)、実際の展示を見に行くと、例えば展示の方法だとか、どんな大きさでプリントするのか、どんな照明を当てるのか、作家がそこに込めたもの、情報量が全っ然違うんですよね。年のはじめに良い機会をいただきました。

展覧会は今月26日まで開催中です。ぜひお運びください〜。

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